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冬の防寒対策はおそらくビオトープ愛好家の誰もが突き当たる悩みだと思います。ビオトープを冬の間だけ室内へ入れてあげれば、この悩みは簡単に解決しますが、容器の重さやスペースなどの問題で移動が難しいケースもあるでしょう。
冬も外に置きっぱなしにしたい方は、ビオトープを設置する段階で、寒さに耐えられるような植物を選んでくださいね。
今回の記事では、寒さに強いビオトープ向けの植物をピックアップしています。
これから始める初心者さんだけでなく、すでにビオトープを楽しんでいる人も植栽した水草に耐寒性があるかどうかをチェックしてみましょう。
ビオトープは真冬でも屋外に放置して大丈夫?
当たり前ですが、ビオトープの水が全部凍ると、植物も生き物も死んでしまいます。しかし、雪が降ったり、水が表面だけ凍ったりする寒い日であっても、屋外でビオトープを冬越しさせることは可能です。
屋外管理の場合はそのまま放置するのではなく、適切な保温対策を行う必要があります。寒暖差が激しすぎると、ビオトープの植物や生き物にダメージを与えてしまうからです。
保温対策の具体的な方法については、こちらのページを参考になさってください。メダカがメインの記事ですが、植物の冬越しにも役立つと思います。
⇒真冬のビオトープ!屋外飼育でメダカの冬越しを成功させるコツとは?
ここで一つだけ注意してもらいたいことがあります。
基本的に“冬でもビオトープの屋外管理は可能”なんですが、雪が降り続くような極寒地域では、保温対策にしっかり気を配らないと、外置きでの越冬は難しいかもしれません。
日本の野生メダカだって、寒さが厳しい北海道にはそもそも生息していないですよね。なので、お住まいの地域環境を考慮しつつ、対応方法を判断していただきたいと思います。
屋外で冬越しできる水草をご紹介♪
水生植物(水草)は国産種と輸入種に大きく分けられますが、やはり日本で自生している種類の方が四季への適応力が高いため、冬でも圧倒的に強いです。
水草には「水上葉」と「水中葉」という2つの形状があることも覚えておいてください。水上で育った葉が「水上葉」で、水中で育った葉は「水中葉」となります。つまり、同じ植物でも水上と水中では色や形などに違いが出てくるのです。
耐寒性のある植物でも冬は水上葉のほとんどが枯れてしまうのですが、その代わりに水中葉が生き延びて、春に再びグングン成長し始めます。また、葉自体は枯れてしまっても、水中で根が生きていれば、復活する植物は意外と多いので、簡単に諦めないでくださいね。植物の生命力は結構すごいです!
では、屋外でも越冬可能なビオトープ向けの植物たちをご紹介します。
■アナカリス(オオカナダモ)
魚類を扱っているペットショップなら、必ず販売されているような定番の水草。日本自生種で、寒さに強く丈夫な水草のため、ビオトープ初心者でも扱いやすい。金魚藻とも呼ばれている。
■トクサ
小さい竹みたいな形状の和風っぽい植物で、冬でもたくましく生き延びてくれる。他の水草は寒さで枯れたけど、トクサだけはピンピンしていたという人も。
■ミズユキノシタ(ルドウィジア・オバリス)
赤く染まる葉が美しい人気の植物。日本自生種で、水上葉は枯れてしまうが、水中葉は越冬可能。育成が簡単で初心者におすすめ。
■ナガバオモダカ
小さな白い花が可愛らしい植物。寒さに強く丈夫なので、水中葉で冬の間も生き残ってくれる。水中に沈めておけば、冬眠中のメダカの隠れ家にぴったり。
■温帯性睡蓮
日本にも自生している寒さに強い植物のため、根を水に浸しておけば、屋外でも越冬可能。根を凍らせたり、水を枯らしたりしないように注意すること。
越冬できない水草への対処法
もちろん、中には屋外での冬越しが難しい植物もあります。代表的なのは、ホテイアオイやオオサンショウモなどの浮き草類です。なので、浮き草たちは冬の間だけ室内へ移動させましょう。浮き草の引っ越しは簡単ですよね。
ただ、ホテイアオイは寒さに強いという人もいて、冬越し対策への意見が分かれています。そのため、保温をしっかり行えば、屋外でも無事に越冬できるかもしれません。しかし、低水温が苦手な植物であることは確かですから、室内へ移動してあげた方が安心です。
また、熱帯性睡蓮にも耐寒性はありません。屋外での冬越しは無理ですので、室内で管理しましょう。
熱帯性睡蓮の場合、葉や根をカットした球根を赤玉土で包み、ビニール袋などで密封したまま休眠させるそうです。温帯性睡蓮と違って、熱帯性睡蓮はとても繊細なため、ビオトープ初心者ではちょっと扱いにくいかもしれませんね。
越冬できない植物は室内へ移動するか、屋外で保温対策をしっかり行うかのどちらかで対処してください。
まとめ
極寒地域でない限り、植物に耐寒性があれば、屋外のビオトープでも冬越しさせることは可能です。
冬の間に枯れてしまったように見える水草でも、すぐには処分しないでくださいね。まだ生きている場合がありますよ。植物の生命力は本当にすごいのです!最後の最後まで、大切に育ててあげましょう♪