あなたは生クリームを使い切れずに、余らせてしまったことはありませんか?割引シールが貼られていたので、つい余分に買ってしまったり、料理やお菓子作りで少ししか使わずに半分以上残ってしまったりとか。結局、最後は捨てる羽目になる場合も多いのではないでしょうか?

 

生クリームはちょっとお高いですから、廃棄処分せざるを得なくなると、いつも敗北感や罪悪感に襲われてしまいます。

 

しかし、正しい方法できちんと保存すれば、生クリームもかなり日持ちするんですよ。今回の記事では、生クリームを残さず使い切るための保存テクニックをご紹介します。

 

味に違いは?生クリームの種類を分かりやすく解説!

 

生クリームを購入する時に、あなたはしっかり成分表示を確認していますか?パッケージの「名称」または「種類別」という部分ですが、この箇所には次の2パターンのどちらかが記載されているはずです。それぞれの特徴を示しておきました。

 

1.クリーム(乳成分を含む)
添加物や植物性脂肪が一切入っておらず、乳脂肪(動物性脂肪)のみで作られたクリームのこと。濃厚なミルクの風味とコクが味わえる。

 

2.乳等を主要原料とする食品
添加物や植物性脂肪が含まれたもの。軽くてさっぱりしているので、ミルクの独特な風味が苦手な人におすすめ。

 

さらに、2の“乳等を主要原料とする食品”は3タイプに分けることができます。

 

①動物性脂肪タイプ(動物性脂肪+添加物)
動物性脂肪に乳化剤や安定剤などの添加物を加えたもの

 

②混合脂肪タイプ(動物性脂肪+植物性脂肪+添加物)
動物性脂肪と植物性脂肪の両方を混ぜ合わせて、それぞれの特徴を活かしたもの

 

③植物性脂肪タイプ(植物性脂肪+添加物)
植物性脂肪に乳化剤や安定剤などの添加物を加えたもの

 

添加物入りの生クリームは日持ちするし、口当たりがなめらかになるというメリットがありますよ。

 

そのため、決して添加物を悪者扱いする必要はないのですが、ミルクの風味を存分に味わいたいのなら、名称・種類別は“クリーム”一択です。私はいつも乳脂肪のみが使われている生クリームだけを購入しています。

 

生クリームの保存期間について

 

食品の期限表示には、賞味期限と消費期限の2パターンありますが、賞味期限は「その食材・食品を美味しく食べられる期限」のことです。それを過ぎてしまったら、即劣化するというわけではありません。

 

一方、消費期限は「その食材・食品を安全に食べられる期限」を意味しています。劣化が早いものに使われる表示なので、それを過ぎた場合は食べない方が無難です。

 

生クリームはすぐに傷みそうなイメージですが、消費期限ではなく、賞味期限で表示されています。ただ、添加物が含まれているかどうかで、保存期間がかなり違ってくるため、生クリームの種類をきちんと確認してくださいね。

 

保存期間の目安を次に示しておきます。開封後は期限自体が無効になるので、早めに使い切りましょう。

 

■添加物が入っていない生クリーム
未開封で約7~10日。開封後は1~2日程度。

 

■添加物が入っている生クリーム
未開封で約3ヵ月。開封後は3~5日程度。

 

添加物入りの生クリームは多少賞味期限を過ぎても使用できますが、乳脂肪(動物性脂肪)オンリーのタイプは比較的劣化しやすいです。

 

それに、生クリームはブドウ球菌が増殖しやすいのだとか。ブドウ球菌は加熱しても死なないため、余りそうな生クリームは賞味期限を待たずに、これからお伝えする保存方法で早めに対処した方がいいですよ。

 

ただし、期限内であっても、クリームが黄色っぽくなったとか、酸っぱい味がするなどの異変を感じた場合は、無理に保存しないで、すぐ廃棄してくださいね。

 

生クリームを冷蔵で日持ちさせるには?

 

開封後の生クリームを冷蔵庫で少しでも日持ちさせたい時は、蓋付きの密閉容器に移し替えましょう。

 

そうすると、買った時の容器にそのまま入れておくよりは長持ちします。といっても、1~2日延命する程度ですし、開封後は劣化しやすいので、なるべく早く使ってくださいね。

 

生クリームを冷蔵庫で保存する際、ドアポケットに置くのは避けるように!生クリームは振動に弱いため、ドアの開け閉めだけで分離する可能性があります。冷蔵庫のドアポケットは外気にも触れやすいので、保存場所には適していません。

 

冷気の吹き出し口周辺にも置かないようにしましょう。生クリームが中途半端に凍ってしまい、風味に影響が出るからです。

 

生クリームを上手に冷凍保存する方法

 

保存する生クリームが液体か泡立てた後かで、冷凍法は異なってきます。それぞれのやり方をご説明しますね。

 

■生クリームを液体の状態で冷凍するコツ

 

液体のまま冷凍する際は、製氷皿に入れると、使いたい分だけ簡単に小分けできて便利です。製氷皿はプラスチック製ではなく、取り出しやすいシリコン製がおすすめですよ。

 

プラスチック製の製氷皿は、力を入れて中身をひねり出さなくてはなりません。凍らせた生クリームは壊れやすいため、柔らかいシリコン素材の方が適しているのです。

 

もっと簡単なやり方がいいという人には、液体の生クリームをジップロックなどの冷凍用保存袋に流し込んで、必要な量だけバキバキ割って使う方法をおすすめします。

 

ただし、液体の生クリームは解凍後に泡立てることはできません。いったん冷凍すると、どうしても分離してしまうので、パスタやシチュー等の加熱調理に使いましょう。

 

■生クリームを泡立てた状態で冷凍するコツ

 

泡立て後に冷凍保存する際は、金属製のトレーやシリコン素材のカップなどに生クリームを1回分ずつ絞り出して、冷凍室で凍らせてください。完全に固まったら、それぞれをラップで包み、保存袋やタッパー等に入れて、再び冷凍保存しましょう。

 

絞り出すのが面倒であれば、大きいスプーンで生クリームをすくい、トレーやカップに適量を落とすやり方でもオッケーです。

 

最初から冷凍すると分かっている場合は、生クリームに砂糖を加えてくださいね。砂糖が入っていないと、解凍後はボソボソした食感になり、あまり美味しくないのです。砂糖を加えるタイミングは冷凍前の泡立て時だけですよ。お忘れなく!

 

まとめ

 

開封後の生クリームを冷蔵で保存する際は、必ず蓋付きの密封容器に入れること。移し替えたら、ドアポケットや冷気の吹き出し口周辺には置かないようにしましょう。

 

冷凍する場合は、液体か泡立て後かにより保存方法が異なります。生クリームの冷凍には、扱いやすいシリコン製アイテムがおすすめです。

 

冷凍した生クリームは3~4週間程度日持ちします。使う時は冷蔵庫に2~3時間入れておけば、うまく解凍できますよ。

 

生クリームはコーヒーに浮かべたり、カレーやスープに入れたりと使い道はたくさんあります。ぜひ日常の料理にフル活用し、最後まで使い切ってくださいね。