水性ペンのインクが服についてしまった場合、きっとあなたは次のように考えるのではないでしょうか?

 

水性ペンだから、同じ性質の“水”で簡単に落とせるはずだ。

 

私もこんな風に思っていました。しかし、水性ペンの汚れを落とすのは、そんなに単純ではなかったのです。

 

水性インクのシミは特に厄介で、すぐ何らかの対処をしないと、時間が経てば経つほど、落とすのが困難になってしまいます。ただ、そういう状態になったとしても、全く打つ手がないわけではありませんよ。

 

これからご紹介する方法で、服についた水性インクのシミを除去できると思いますので、ぜひ諦めずにトライしてみてくださいね。

 

水性ペンは油性ペンよりも落ちにくいってホント?

 

水性ペンと油性ペンは溶媒(着色料を溶かす時に使う成分)の違いで区分されています。

 

水性ペンは水で色を溶かしたもの。
油性ペンは油で色を溶かしたもの。

 

もっと細かいことをいうと、溶媒に水が一切含まれていないのが“油性”で、油が混じっていたとしても、水が含まれていれば“水性”だと定義されているみたいですね。

 

意外に思うかもしれませんが、水性ペンは油性ペンより落とすのが難しいそうです。

 

水性インクでも即座に対応すれば、比較的ラクに染み抜きできますが、インクが完全に乾いてしまうと、服の繊維に色が定着するため、落としにくくなるのだとか。

 

そのまま普通に洗濯しちゃったら、色がにじんでしまい、シミがどんどん広がっていくという悲劇が起こりますので、焦らずに落ち着いて対処してくださいね。

 

水性ペンが服についた場合の対処法

 

ご家庭で水性インクの染み抜きをする場合は「水洗い可能な衣類」に限られます。これが大前提です!

 

もし水洗いできない服ならば、クリーニング店にお任せするしかありません。絶対に失敗したくない大切な衣類もプロに依頼する方がいいでしょう。

 

これらのことを踏まえた上で、水性インクの染み抜きに挑戦してください。

 

では、白物と色柄物の2パターンに分けて、落とし方をご紹介します。白物の服は色落ちする心配がないため、より強力な方法でシミを落とせますよ。

 

【白物の衣類に水性インクがついた時の落とし方】
①洗面器に40℃くらいのぬるま湯を入れる。
②漂白剤を適量溶かす。
③インクで汚れた部分を30分~1時間程度つけ置きする。
④いつも通りに洗濯する。

 

※③が終わった後に汚れ落ちを確認してみて、まだインクが残っているようなら、つけ置き時間を延長しましょう。つけ置き時間は合わせて最大2時間までにすること。それ以上は生地が傷んでしまいます。

 

色柄物に使える漂白剤もありますが、色落ちがどうしても心配な人は次の方法を実践してください。漂白剤ではなく、洗剤で落とすので、生地への負担がより少ないはずです。

 

【色柄物の衣類に水性インクがついた時の落とし方】
①汚れの下に当て布を敷く。
②インクがついた部分に洗剤を適量垂らす。
③上から歯ブラシで叩いて汚れを当て布に移す。
④固形石鹸でその部分をつまみ洗いする。
⑤水かぬるま湯でよく洗う。
⑥いつも通りに洗濯する。

 

※洗剤は弱アルカリ性の液体洗濯洗剤か食器用中性洗剤を使ってくださいね。固形石鹸はウタマロ石けんがおすすめです。120円くらいで売られているのに、汚れ落としのパワーは超優秀なんですよ!

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どれがおすすめ?水性インクに効果的な漂白剤について

 

市販の漂白剤にはハイターやオキシクリーンなど、様々な種類がありますが、水性ペンのインク落としに適しているのはどれなのでしょうか?

 

漂白剤の種類は「酸化型漂白剤」と「還元型漂白剤」の大きく2つに分けられており、酸化型漂白剤はさらに“塩素系漂白剤”と“酸素系漂白剤”に分類されます。

 

■酸化型漂白剤(塩素系漂白剤)
漂白力が強いので、白物におすすめだが、色柄物には使えない。ハイターやブリーチなどが有名。

 

■酸化型漂白剤(酸素系漂白剤)
漂白力は弱いが、白物にも色柄物にも使える。ワイドハイターやオキシクリーンなどが有名。

 

■還元型漂白剤
色素を浮かせて取り除くことにより、衣類を漂白するタイプ。白物におすすめだが、色柄物には使えない。ハイドロハイターが有名。

 

これら3種類の中で水性ペンのインク落としに一番おすすめなのは「還元型漂白剤」です。

 

還元型漂白剤は着色料を生地から浮き上がらせて除去するため、色移りした衣類の染み抜きが得意なんですね。生地への負担も少ないタイプですし、大切な衣類を洗うのなら、還元型漂白剤がベストだと思います。

 

次におすすめなのは「酸素系漂白剤」です。還元型漂白剤は白物のみなので、色柄物を漂白剤で染み抜きしたい場合は酸素系漂白剤を使ってください。

 

なお、塩素系漂白剤は漂白力が強すぎるため、生地を傷めてしまう可能性があります。絶対にダメというわけではないのですが、漂白力と生地への負担の両方を考えると、他の漂白剤の方が無難かなって思いますね。

 

まとめ

 

水性ペンのインク汚れを落とす場合、白物の衣類は漂白剤でつけ置き洗い。色柄物は基本的に洗剤と固形石鹸で落としますが、それでも色が残るようだったら、酸素系漂白剤で染み抜きをしましょう。

 

ちなみに、酸素系漂白剤で人気の“オキシクリーン”は日本製よりアメリカ製の方がインク落ちが良いそうです。アメリカ製には界面活性剤が含まれていますが、日本製には入っていないので、汚れ落ちで劣るのは仕方ありません。

 

インクの汚れ落ちパワーを比較すると、ワイドハイターとアメリカ製オキシクリーンは同じくらいの評価ですが、日本製オキシクリーンと比べたら、ワイドハイターに軍配が上がるみたいです。ぜひ漂白剤選びの参考にしてください。

 

油性ペンの落とし方については、こちらの記事でお伝えしています。少しでもあなたのお役に立てると嬉しいです♪
自分でできる!服についた油性ペンの汚れはこうやって落とす!